MIDIコンサーティーナ制作備忘録

キーボードを自作するという文化があることをつい最近知りましたが、基盤設計をして、マイコンやダイオードの半田付けをしたり、ファームウエアを書き換えるためにプログラムを書いたりとか、敷居が高く、自分にはできないものと思いこんでいました。しかし、最近では、有識者のボランティアによってQMK Firmwareというキーボードをカスタマイズするためのオープンなプラットフォームが作られ、さらにVIAというファームウエアの更新無しに、キーマップをP/C上で変更することのできる仕組みが誕生し、さらにはREMAPというWEB上で簡単にキーマップを変更できるサイトまで現れてきました。REMAPの凄いところはキーボードにMIDIキーも割り当てられるところです。


これによって私のような素人でも自作キーボードを簡単にMIDI楽器にすることができるようになりました。このことを知るきっかけは3arahtさんが作ったjabalanaiというMIDIクロマチックアコーディオンの存在をチャラン・ポ・ランタンの小春さんの蛇腹談義で知ってからです。3alahtさんはjabalanaiを開発した後にchromatone mini, 更にはmidiバンドネオンも作っています。クロマチックアコーディオンやクロマトーンは押し引き同音の楽器ですが、バンドネオンは押し引き異音の楽器です。だとしたらMIDIコンサーティーナも作れるのではないかと思い立ち、MIDIコンサーティーナを作ることにしました。目的としては夜中でもヘッドホンをつけて練習ができるようにするというものでした。


ベースになるキーボードとしては、音数としては3x5x2=30キーあれば十分なのですが、親指に蛇腹の切り替えスイッチやオクターブ、音程切り替えスイッチを割り当てることも考え、余裕のある(3x6+3)x2=42キーのCorne Cherryにすることにしました。このキーボードにした理由はホームポジションから手を動かさずに全てのキーに指が届くこと、また、多くの人が使っているので、困った時にネットで色々と情報が得られるという点と、ホットスワップで半田付けをしなくて済む半完成品のキットがアマゾンで販売されていたからです。このキットだと後はスイッチとキーキャップを用意してはめ込むだけで簡単に自作キーボードができます。半田付けを自分で行うキットと比べれば割高ですが、ハンダゴテを用意したり、失敗するリスクを考えると、MIDI楽器を作りたいだけだったら、こちらがおすすめです。https://amzn.to/2V3tumV


一応、レイヤーという機能を使って、蛇腹を押したときと弾いた時に違うキーマップを使えるように設定をしてみたのですが、切り替えスイッチを押して音を切り替えるのにタイムラグあったり、反応しないことがあり、アングロコンサーティーナのキー配列をそのまま移植することはやめることにしました。押し引き同音にしても、30キーあれば低いGの音から2オクターブ半上のCの音までクロマチックに音を配列することができるので、切り替えスイッチなしで十分、曲を演奏できます。


全く新しい配列なので、コンサーティーナを夜静かに練習するという当初の目的からは外れてしまいましたが、この配列は音のダブリもなく、低音部で和音も演奏でき、視覚的に覚えやすく合理的なので、むしろ、この配列で実際にリードを入れたコンサーティーナをメイカーにオーダーしても良いのではないかと個人的には思います。


最初はオクターブの切り替えスイッチや音程を上げ下げするスイッチを親指に割り当てていましたが、ミスタッチしてしまうことが多いので、むしろシンプルに3x5x2=30キーの分割キーボードの方が良いかなと思います(QMKファームウエア、VIA,MIDI,ホットスワップ対応のものがあればですが..)。あと演奏のやりやすさかから言うともう少しロープロファイルでスイッチの間隔が狭いほうが弾きやすいと思います。


参考URL
https://github.com/3araht/crkbd2ConcertinaMIDI
https://zenn.dev/3araht/articles/2a594a50ae006a?fbclid=IwAR3oEmE3BK2ux5bAAPBk7lyW5eZudNaz0niP6g1z0hoNitvxA8kkzc8_rAw









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