Book


1.アイルランド音楽入門書

20年以上前にアイルランド音楽に興味を持った人たちが最初に手にとったのは守安功さんの愛蘭土音楽紀行シリーズではなかったんじゃないかと思います。今アマゾンで調べてみたらものすごく安く売られていてびっくり。かなり著者の主観が入っていますが、当時は現地の音楽事情の情報が少なかったので貪るように読んでいました。時流に乗った商業主義的な音楽より生活に根差した名もないごく普通の人たちが奏でる音楽に価値があるという価値観が刷り込まれたのはこの本を読んでからかな。書店ではもうあまり見かけないけど若い人にも是非とも読んでもらいたい本です。

アイルランド 人・酒・音  守安 功

音楽評論家のおおしまゆたか氏が書いた、あるいは翻訳したアイルランド音楽の入門書。後の2作はCD音源付きです。

2.ディスクガイド

昔はこういうCD紹介本を片手に中古CDショップを回遊してお目当てのCDを探し回ったものですが、今もこういう本は売られているのでしょうか?アイリッシュ&ケルティックミュージック  山尾 敦史 (編集)
アイリッシュミュージックディスクガイド 大島 豊 (監修)

4.アイルランド紀行本

アイルランドは旅人を文豪や詩人にする力があるようです。アイルランドへの旅のお供に持参するもよし、行く代わりに読んでアイルランド旅行気分を味わうも良し。

アイルランド紀行 - ジョイスからU2まで (中公新書) 栩木 伸明 (著)



ネット上にも面白い旅行記や実際に住んでいる方の生活レポートがあります。

アイルランド放浪の旅
アイルランド不定期便

5.楽器別おすすめ教則本

【フィドル編】

  定番のフィドル教則本です。丁寧に練習すれば一生使えます。CD付きですが、Appendixに入っているSelected Tunesの音源は入っていません。曲の音源を欲しい場合はこちら↓

 イギリスの人ですがその分外国人にもわかるようにボウイングの仕方まで含めて詳しく解説してあります。日本にも2度来日してワークショップもされました。付属CDは全部の曲を網羅しているわけではありません。曲の音源を欲しい場合はこちら↓

ステップバイステップで楽器の各部の名称から、持ち方、楽譜の読み方、指の押さえ方、ボウイングの仕方、装飾音のつけ方など、やさしい曲から複雑な曲へと順を追って一通りのことが学べます。後半は楽譜集になっています。

Handy with the Stick: Irish fiddlers in Words and Music by Brendan Taaffe
教則本ではないですが、アイルランドの伝統音楽の沼に嵌ったアメリカ人の著者Brendan Taafe氏がTommy Peoples, Paddy Glackin, John Carty, Brendan McGlinchey, Caoimhin O' Raghallaigh, Matt Cranitchなどとのインタビューを取りまとめた本。

Bowing Styles in Irish Fiddle Playing By David Lyth
一時期入手が困難な時期がありましたが、Vol1/vol2はCuty's などでも現在入手可能です。筆者自らが自分のホームページで新しく作成したVol.3も含めてpdfで公開しています。
Vol.1  アメリカに渡った3人の偉大なスライゴフィドラー(Michael Coleman, paddy killoran,James Morrison)のボウイングスタイルを実際の音源から採譜した楽譜集
Vol.2 Munster フィドラー編(Padraig O'Keefe、Denis Murphy, Julia Clifford,Paddy Cronin, Johnny Cronin, Martin Mulvihill, Patrick Kelly, Bobby Casey, Junior Crehan, John Kelly, Joe Ryan, Paddy Canny, Sean Ryan
Vol.3  Vol.1の追加分

*採譜の元になった音源はCD化されていないレコードも多いのですが、一部はこちらからmp3ファイルでダウンロード可能です。

Fiddlers of Sligo by Oisin Mac Diarmada & Daithi Grmley
スライゴーの伝説的フィドラー達のフィドルスタイルを各奏者の音源から採譜して分析した楽譜集。facebookのsligofiddleというホームページでDiarmada とDaithi Grmleyの演奏で子の楽譜集に収録された曲の演奏が聴けます。

Fifty Fiddle Solos by Sean Keane
  Sean Keaneのフィドル演奏CD付きの楽譜集
50 Irish Fiddle Tunes
  Tommy Peoplesのフィドル演奏CD付きの楽譜集
Under the moon 13 Celtic Fiddle Solo
  Martin Hayesのアルバム'Under the moon'の全曲を採譜した楽譜集
Martin Junior Crehan  Musical Compositions and Memories
  Junior Crehanの作曲した曲の曲集+写真集
The Solo Albums  by Kevin Burke and Betsy Branch
  Kevin Burkeの4つのSolo Album(If the Cat Fits,Up Close,In Concert, Sweeney's Dream)の採譜集
Musical  Memories Vol.1 & Vol.2 by Charlie Lennon
   Charlie Lennon の作品集
Irish Fiddle Music From Counties Cork and Kerry by Drew Besswenger with Connie O'Connell
Paddraig O'Keeffe, Denis Murphy, Connie O'Connellの演奏音源からの採譜集。
On-Line Audio付
 A Compilation of Paddy Fahy tunes  created by Maria Holohan
 Maria Holohanの博士論文に収録されているPaddy Fahyの作品集pdf
Ed Reavy's Composition 
 Ed Reavyの息子さんによってabcフォーマットで作られたEd Reavyの作品集
This file contains the collected compostions of Ed Reavy, VERSION 1.0.  It is for personal use and the music must not be included in any books, performances or recordings without the express premission of the Ed Reavy Foundation. Ed Reavy, Jr., President

【ボタンアコーディオン編】

The BOX   A Beginner's Guide to the Irish Traditional Accordion  by David C. Hanrahan 
 私がボタンアコーディオンを始めた頃に存在していた唯一のB/Cアコーディオン教本でした。30ページほどの薄い本で説明も少なくこれだけで独習するのは難しいですが、付属のCDとイーリアンパイプのレギュレータを模した独特のベース音のサジェスチョンはこの教本のユニークなところです。
Kincora Accordion を製作しているMartin Connollyの息子のDamien Connolly(米国在住)の書いたB/Cアコーディオン用の教則本です。Volume 2としてC#/Dの教則本も出す予定とのことでしたが、残念ながらまだ発売されていません。独自に開発された蛇腹の押し弾きやフィンガリングを克明に記述したチャート図がユニークです。ベースのつけ方についての説明もあります。付属の音源はDVDになっていて視覚的にも弾き方を確認できるようになっています。
  最近出版されたB/Cアコーディオンの最も詳しい教則本です。3枚のCD音源付きで説明も丁寧なので独習用として十分使用できると思います。
 B/Cアコーディオンの奏法を確立したPaddy O'Brienの作曲した曲を、娘でフィドル奏者であるEileen O'Brienが取りまとめた楽譜集です。Eileen O'Brienによるフィドル演奏が付属の3枚のCDに収録されています。
Joe Burke Traditional Irish Music Collection
 B/Cアコーディオン奏者なら避けては通れないJoe Burkeの3枚のCD音源付き楽譜集。どの曲もB/Cアコーディオンで弾きやすいようにメロディにちょっとした捻りが加えられています。選曲も良いです。
Marirtin O'Connorのオリジナル作品集。CDは付属していません。
Sliabh Luachra地方に伝わる曲や演奏スタイルをJ受け継ぐJohnny O'Learyの演奏を譜面に起こした楽譜集
Sharon ShannonのCDから代表的な曲をピックアップして譜面にしたもの。
 Joe Cooleyの唯一のCD音源の全曲トランスクリプション
 音は悪いですが、CDに収録されていないJoe Cooleyの録音テープはこちらにあります。


コメント

このブログの人気の投稿

東京近郊のアイリッシュセッション情報

MIDIコンサーティーナ制作備忘録